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2022年09月05日
「認知症ほのぼの見聞録」<令和4年8月版>
先日、共有フロアの椅子に腰かけていた女性利用者さんに、
一人のスタッフがお声を掛けた時のお話です。
利用者さんの隣に座ったスタッフが、
「暑いですね~。今日は猛暑になるらしいですよ~。」と
他愛もない事を話しかけていました。
現在90代半ばのその利用者さんは、
声を掛けたスタッフが10数年前に入社した時には既に入所されていた方。
つまり、初めて会った時は80代前半。
素敵なお洋服と、アクセサリーを身に着けられ、
綺麗にお化粧をされた、とてもお上品な方という第一印象でした。
その頃に比べ、認知症が進行された利用者さんからのお返事はなく、
それでもスタッフは時折顔を見合わせながら、
目の前に広がる景色やテレビに映し出される光景の話を続けていました。
そんな会話の中で、
「初めて●●さんにお会いしたのは、もう10年以上前になるんですね~。」と
昔を懐かしく思い出したスタッフが、
「●●さん、私が来ると、いつも“ご苦労様”って、
温かいお茶を入れてくださったの覚えてますか?」と問いかけ、
顔を覗き込みました。
暫く待ってもそれに対するお返事は聞こえてこなかったので、
続けて、
「また、●●さんのいれてくれたお茶がのみたいな。
また、いれてくださいね!」と最後に声をかけ、
スタッフがその場を離れようと立ち上がると、
利用者さんが小さな声で、
「は~い。」と一言。
短いお返事ではありましたが、
あの頃いれてもらった日本茶の味がハッキリと蘇る、
心に染みる一言でした( *´艸`)