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ながくて
2022年07月11日
寂しいなぁ~…
先日、ながくての施設では、十数年の月日を共に過ごした利用者さん(Aさん)との
悲しいお別れがありました。
御年99歳。ビー玉のように瞳が綺麗で、屈託のない笑顔が素敵な方でした。
今はガラ~んと静まりかえる、Aさんが住まれていたお部屋を見ていると、
ただただ、Aさんがお元気だった頃の思い出が蘇ります。
挨拶をした時に返してくださる「笑顔」
一生懸命家事活動に取り組まれる「真剣な表情」
外出支援や美味しい物を食べた時の「満足そうなお顔」
どのお顔も、昨日の事のように鮮明に思い出されるのですが、
一番印象深く残っているのは、一度だけ見た、睨みつけるような「怒り顔」かもしれません。
普段はながくての施設にはいないスタッフが、
フロアの机で一人の女性利用者さんと話していると、
男性利用者のBさんが、ある種の認知症による易怒性から、
そのスタッフに向かって強い口調で暴言をはかれました。
何を話しかけても、怒鳴ったように大きな声で答えられるその利用者さんに、
どうしたものかと困っているスタッフをみたAさんが、
持病で動きにくくなった腕で一生懸命車椅子をこぎ、
スタッフと怒っている男性利用者さんの間に、
睨みつけるような表情で割って入ってくださったのです。
唇や舌などにも麻痺があり、言葉がうまく発音できなかったAさんでしたが、
確かに「やめなさいよ!」と、Bさんに懸命に訴えて下さいました。
Aさんの優しい人柄からくる「睨みつけるような怒り顔」が脳裏に浮かぶたび、
10年以上経った今でも、感謝の気持ちが溢れます。