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2023年12月06日
「認知症ほのぼの見聞録」 令和5年11月版
インフルエンザの予防接種の為、
普段いる場所とは違う事業所を
訪れていたスタッフと、
男性利用者のAさんとのやり取りです。
そのスタッフを見つけ、
「お!」という顔をされると、
「おいで」と言わんばかりに
片手を上げた利用者さん。
その手に吸い寄せられるように
側にいくと、
利用者さんはスタッフの右手首の辺りを
優しく掴まれました。
暫くの間、
そのままの姿勢で他愛もない話を
していたのですが、唐突に、
「Aさん、私、注射が怖いんです!」と
スタッフが言いました💦
実は、間もなく始まる予防接種が怖くて
気が気じゃなかった様子(笑)
スタッフは、掴まれた腕の角度を少し変え、
利用者さんの親指が、自分の手首の脈所
(脈拍の感じられる部分)にくるようにズラすと、
救いを求めるように、
「脈、速いですよね!不整脈が出そうです💦
注射じゃなきゃダメですか!?」と
まくしたてました(笑)
するとAさんはスタッフとは対照的に、
とても落ち着いた声で、
「大丈夫。よく効く。」と仰いました。
その優しい声に、
少しクールダウンしたスタッフが、
「でも、怖いんです…(◞‸◟)」と肩を落とすと、
Aさんはスタッフの手首を握りなおし、
人差し指と中指、薬指の三本の指を脈所に当て、
「少~し早いな。」とポツリ。
Aさん、実は現役時代はお医者様。
そこから、一段と落ち着いた声で、
「だ~いじょ~ぶ、だ~いじょ~ぶ」と
繰り返されました。
その、穏やかなトーンで
何度となく繰り返される、
心のこもった「大丈夫」という言葉に、
スタッフの顔も
魔法にかかったように穏やかになり、
例年より少~しだけ静かに
ワクチンを受けていましたよ(笑)
きっと、こうやって何人もの
患者さんの不安を
取り除いてみえたんですね(´艸`*)
Aさん、
来年も、お願いします!笑