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2023年07月11日
「 認知症ほのぼの回顧録 」<平成31年3月版② >
シンクの前で
真剣にじゃが芋の皮をむくAさんと、
お鍋の前で煮物に味付けをする
Sさんのお話しです。
Sさんがドバドバッと
勢いよくお鍋に醤油を入れました。
するとSさんがAさんに向かって
「これ、入れ過ぎかねぇ💦」と
声を掛けました。
聞こえていないのか
反応の無いAさんに、
もう一度大きな声で
「これ、入れ過ぎかね!!?」と
Sさんが尋ねました。
すると、Aさんは
じゃが芋から目を離すことなく
「うん。いいよ~。」と一言。
お鍋を覗くどころか、
Sさんの方すら見ずに答える
Aさんの回答に、不安を覚えながらも
暫く様子を見ていると、
Sさんが再び「濃くない?💦」
と尋ねました。
するとAさんの答えは、
「野菜から水が出るから大丈夫!」
なるほど!!!
大きなお鍋で煮ていたのは
魚と沢山の野菜。
私は、さながら水戸黄門に
印籠を出されたような、
なんともいえない
「はは~」とひれ伏したくなるような
気持ちになりました。
認知症だから、
今日出来た事が明日も出来るとは限らない。
どんな時でも、
その人のその時にあった
見守りと手助けは必要です。
でも、認知症だからと言って、
「出来ない」と決めつけて
出来る事まで取り上げて
しまってはいけないと
再認識させられる光景でした。