利用者さんとお話をしていると、
聞いたことのない言葉を耳する事があり、
とても勉強になります。

台所に立っていた男性利用者さんに、
「男の人が家事をするのは、
〇〇さんくらいの年齢の方だと
抵抗があるものじゃないんですか？」
とうかがうと、

「長男ですからね。家事は得意なんですよ。
父親から、お母さんを助けなさい。
お母さんを手伝いなさいって育てられましたから。
“総領の甚六”ってお尻を叩かれて、
背中を押されてたんです（笑）」と。

全く意味の分からなかったスタッフが、
「何の何ですか？？？」と聞き返すと、
「長男は、おっとりしていて、世間知らずって意味ですよ。
父が僕を励ますために言ってくれていたんでしょうね。」と、
懐かしそうに目を細められました。

この時の会話がなければ、
一生知る事が無かったかもしれない“総領の甚六”という言葉。

もし、どこかで知ったとしても、
悪い意味としか捉えられなかったかもしれません。

本来の意味とはちょっと違うのかもしれませんが、
そのスタッフにとっての“総領の甚六”は、
言葉の裏に親の愛情が込められた、
なんだかホッコリ温かい物として記憶されました(*´ω｀*)