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ごくらく
2022年05月22日
うまく言葉にできなのですが…
ある日の夕方、
「〇〇さん、お外が気持ち良さそうだから、少し出てみても良いですか?」
という声が玄関先から聞こえてきました。
発語の少ない利用者さんなので、それに対するお返事は聞こえてこなかったのですが、
ふとそちらの方へ目をやると、そこには入社まだ間もないスタッフと車椅子の利用者さんが
玄関から少し出た所で、外の風に当たる後ろ姿が。
うまく言葉にできないのですが(笑)、
時折顔を見合わせながら時間を共にする二人の間には、
会話のキャッチボールはなくても、確かに通い合う“意思の疎通”のような物を感じました。
発語が少ない等の理由から、言葉での意思の疎通が難しい利用者さんの思いを形にする為に、
私たちに出来ることとは?という問題提起はよくなされ、様々な意見が出ます。
好きだったことや家族構成はもちろん、交友関係、職歴、趣味など「その人の過去を知る。」
日々変化する身体状況や認知症の進行度合いなど「その方の今を知る。」
普段の表情との些細な違いに気付けるように「その人とよく関り、よく知る」 などなど。
1つ1つは単純なことですが、45名の利用者さんに平等に行うのは、
気が遠くなる情報量で、なかなか難儀な事だと感じてしまいます。
でも、この日の二人の後姿を見て、難しく考えることは無いのかもしれないな…と思いました。
相手を知ることも、思いを形にすることも、
相手を思う気持ちや、楽しいこと、素敵なことを共有したいと思う気持ちがあれば、
自然と出来ているのかもしれないと感じ、そのほっこり温かな光景に、心と体が軽くなる思いでした。